惑星

以下に挙げる星は、人によってそれぞれ及ぼす影響の強さに個人差があります。
自分自身にピンと来ない物は、とりあえず読み流して下さって構いません。
それぞれの惑星の力は、どんな人の中にも全て内在しているものです。
ただ人によって、意識している/いない、よく活用している/いない 　の違いがあるだけです。

太陽　 　Sun

その人の基本的人生観やアイデンティティ。
「一言で言ってあなたは何物か？」と聞かれたら、あなたは何と答えるか？
あなたのその答えが、あなた自身のアイデンティティです。
人によって、職業、勤める会社、ライフワーク、家系、民族、宗教、父親、配偶者、
応援するアイドルやスポーツチームなどを示す事もあります。
よくラジオや雑誌の投稿で、○○ちゃんのママ、○○君の彼女、光GENJI大好きっ子 （古）等
というペンネームを使う人が居ますが、
その人にとってはそれが、自分のアイデンティティなのでしょう。

自分のアイデンティティに対する認識を変えるだけでも、
例えば、「○○社の社員」から「△△業で生きていく人間」に変えるだけでも、
運命は大きく変わります。

月　 　Moon

感情、感受性全般、emotion、体質、プライベートで身近にいる人たち、母、妻、子供。
自分の月が持つ性質を無視して自分の願望目的を追いかける人も居ますが、
その場合、人間関係や私生活や色々な部分で歪みが出て来ます。
反対に、太陽や他のポイントの性質が眠ったまま、月の性質だけに振り回される人も居ますが、
その場合は受け身で欲求不満の人生となりやすいようです。

健康問題（特に心因性の病気）を見る場合は、
この星の配置や座相が重要な着目点の一つとなります。

水星　 　Mercury

頭脳、mind、知覚、浅い方の知性（深い方の知性や人生哲学は木星や土星の管轄）、
コミュニケーション能力、運動神経、兄弟姉妹、私的な友人。
この能力を、社交や接客に使う人（月や木星のフォローを喜ぶ）、
思索や著述に使う人（木星や土星のフォロー喜）、
スポーツや工業技術など「技」に使う人、（火星や天王星や冥王星のフォロー喜）、
色彩感覚や聴覚など五感を活かした職人となる人（金星や海王星のフォロー喜）、
色んな人が居ます。
言い換えれば、水星の力を、この中のどれに使ってもいいのです。

水星の力を「手先の技術」に活かしたい、その意志も情熱も才能もある、
そういう子供がいた場合、親の方が自分の価値観で、
「この子は学校の勉強が出来ないから」「人付き合いが悪くて不愛想だから」等と嘆いたり、
ましてや無理に方向をねじ曲げたりするのは、愚かと言っていいでしょう。

金星　 　Venus

愛情全般、恋愛、美意識、金銭、芸術。
ちなみに、戦争と政治の星という説もあります。
女性にとっては恋愛においての姿勢、男性にとっては理想の女性像。

この星の性質が、恋愛に働く場合、「女の子」同士の友情に使われる場合、
芸術の鑑賞または創作活動に使われる場合、その人の金銭感覚に働く場合、
政治の世界や交渉事で使われる場合、人によって場合によって色んな働き方があります。
言い換えれば、金星の力を、この中のどれに使ってもいいのです。

漫画家や脚本家などの星回りを見ると、金星または火星の星座や座相が、
書いた作品中の登場人物に如実に反映されています。
女優の場合は、金星のある星座や座相が、演じる役柄に大きな影響を与えている事が多いです。

火星　 　Mars

エネルギー全般、闘争心、セックス、体力。
女性にとっては理想の男性像、男性にとっては恋愛においての行動パターン。
自分の中の闘争心やバイタリティを眠らせている場合や、
それらをコントロール出来ずに暴走させている人にとっては、
この星が、事件事故やトラブルなどをもたらす事もあります。
しかし正しく活用するなら、この星が、現状を打破したり行動を起こしたりする原動力となります。

歌手の場合は、火星の星座や座相が、その声質に現れます。

• 以上５つの惑星を、パーソナルな天体と呼び、個人の内面を形作ります。
  毎日や毎月など、短期間の運勢を見る時は、
  これらの星の、現在運行（トランシット）している状態を調べます。

木星　 　Jupiter

発展、成長、幸運、保護、社会性、慈悲心、感謝する心、宗教、信念、その人の本当の希望、
内なる神様、足るを知る心、初心、明るい捨て身の姿勢、「与える事で与えられる」、
win and win またはノンゼロサムな発想。
（※反対語のゼロサムは、合計０＝誰かの利益は常に他の誰かの不利益になるという発想）

それまで正しい努力をして来た人には大成功のチャンスを、
自分の方向が見つからなかった人には新しい方向を、
それまで間違った努力をして来た人には、そこからの解放を、
生活習慣に問題のあった人には病気の発見や入院を、
犯罪を重ねて来た人には法の裁きを与えます。
世俗的・短期的な見地から見て幸運ばかりとは限らず、かえって不運に見える事もありますが、
大きな目で見た場合、やはりその人の最終的な幸福につながっているようです。
その人を「真人間」に導く（叩き直す）作用があります。

この星の性質を眠らせたままの人や、一旦目覚めて成功した後また眠らせてしまった人が、
あまりにも多いです。

土星　 　Saturn

制限、抑圧、責任、成長のための試練、苦手意識を持つもの、
最低限どうしても必要なもの、人生哲学、今現在主流となっている伝統。
結婚を良くも悪くも「年貢の収め時」と表現するのも、これ。

その人が自分にとって間違った方向に行った場合、余計な物をそぎ落とし、軌道修正を行う星。
本当の自分の方向や人生哲学が決まっていない人にとっては、
やはり試練になると言わざるを得ません。
しかし、すでに自分の道を決めて努力を重ねて来た人にとっては、大きな収穫を与える星。
ノーベル賞受賞や横綱昇進は、この星が重要な位置に来た人にもたらされる事が多いです。
また、一生関わる大事なパートナーとの出会いにも、この星が大きく関与しているようです。

• 以上２つの惑星を、社会的な星と呼び、その個人の社会への関わり方を示します。
  年単位など中長期的な運勢の流れを見る時は、これらの星の、現在の運行状況を調べます。
  比較的短期の社会の変動を見る時も、これらの星に着目します。

キロン　 　Chiron

　　（注；　キローン、カイロンと呼ぶ本もあります。）
1977年に発見された、土星と天王星の間の小惑星。最近の心理占星術で脚光を浴びる。
トラウマやコンプレックス、ヒーラー（ヒーリングをする人）の星。
痛みを抱えた人が他の人の痛みを癒すうちに、自分の痛みも癒されて行くという意味。

ジョン・レノンは、月とキロンが合。実の母親に愛されず縁も薄く早くに死別したが、
２度目の結婚で専業主夫となり、自分の子供を育てる中で幸福を見いだした人。
実の母親が生き返って愛情を注いでくれる事がなくても、それに代わる幸福を得る事が出来た。
このように、「代わりの幸福」を与えてくれる星。

天王星　 　Uranus

革命、伝統の破壊、自由意志、独立精神、連帯意識、突発的な変革、同志としての友人。
温故知新（古きを訪ね新しきを知る）、今現在は封印されている大昔の伝統。
オクターブの高い水星と呼ばれる。
良くも悪くも世間の常識の範疇に収まらない大変革は、この星の影響が大。

既婚者にこの星が強く働くと、伝統的には「不倫または離婚の暗示がある」と言われましたが、
それは、結婚を単なる生活の手段と考えたり、相手や自分の個性/自由を無視したり（されたり）
親や周囲の命令で仕方なく結婚をした（続けてる）場合の事でしょう。
しかし、価値観や発想が自分とは違う友人たちと関わり続けたり、
家庭以外に仕事や趣味などで常に新しい事に挑戦し続けるなら、
相互の理解を深め、夫婦間の永続的な友愛を築く事も十分可能です。

海王星　 　Neptune

ロマン、幻想、ビジョン、イマジネーション、霊的or精神的世界、目に見えないもの全般。
酒クスリ宗教芸術など、良くも悪くも溺れさせてくれるもの。
オクターブの高い金星と呼ばれる。
スポーツなどで行うイメージトレーニングも、この星の力を利用したもの。

見る夢が、自分一人の利益に留まったり、
悪い意味で「ラクしてトクする」など甘い場合には、幻滅をも与えるが、
その夢が個人の利益に留まらず、意義のある物ならば、
現実の諸条件の制約を超えた素晴らしい結果を出す為の支えとなる。

冥王星　 　Pluto

潜在意識、先祖、死んだ人、民族、社会の集合無意識、エクスタシー、破壊と再生、全か無か。
時間はかかるが後戻りする事のない変革。
オクターブの高い火星と呼ばれる。
この星の力を自覚出来ないうちは、自分の運命が得体の知れない物に振り回される感覚を持つ。
善にも悪にも最も強大な力を与えてくれる星。
正しく生かすか悪用するかは、星の影響や運命以前に、ひとえに本人の意志にかかっている。

• 以上４つの惑星を土星外惑星（トランスサタニアン）と呼び、
  個人の意識よりは主に集合無意識を示します。
  人生全体の中での運勢の流れを見る時は、これらの星の、現在の運行状況を調べます。
  比較的長期の社会の動きや歴史の流れを見る時も、これらの星に着目します。

(2001-09-03)　※2001-05-04執筆のものに加筆

◎対応する神（ギリシャ神話）
　神話に興味をお持ちの方なら、そのストーリーから星の意味を推察するのも良いでしょう。
　惑星の英語名には、ギリシャ・ローマ神話の神々の名前が付けられている事が多いです。

◎対応する事象
　・本によって、対応する惑星が違う事象もあります。
　　また、複数の惑星に対応しているものもあります。
　・何かの惑星のパワーを高めたい時には、
　　それに対応するパワーストーンや色を身に付けると効果があると言われます。

(2001-12-10)

西洋占星術

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